胃カメラについてgastroscope

胃カメラとは

胃カメラ検査

胃カメラ検査は、正式には上部消化管内視鏡検査と呼ばれている内視鏡検査の一種です。 内視鏡は細長いケーブルのような形をしていて、先端にカメラがついています。口や鼻から内視鏡を挿入し、上部消化管(食道、胃、十二指腸)の状態をチェックします。 色調、形状を観察する中で病変を認めた場合、生検し、組織検査で詳しく診断することがあります。

胃カメラで分かる病気・疾患

ピロリ菌について

ピロリ菌

ピロリ菌は正式名称をヘリコバクター・ピロリといい、胃の粘膜に感染する細菌です。胃には強い胃酸があるため通常の細菌は生息できませんが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素出して自分の周囲にアルカリ性のアンモニアを作り出すことによって、強力な胃酸を中和して生存しています。ピロリ菌の感染経路は完全にはまだ判明していませんが、免疫機能が未発達な幼児期に飲み水や食べ物を介して感染すると考えられています。

ピロリ菌に感染していても通常自覚症状はありませんが、胃の粘膜に慢性的な炎症が引き起こされます。粘膜の防御機能が低下するため、胃潰瘍や十二指腸潰瘍が発生しやすくなります。また、慢性胃炎が進行すると、胃の粘膜が薄くなる萎縮性胃炎という状態となります。萎縮性胃炎は胃がん発生のリスクが高い状態であることが分かっています。そのため、ピロリ菌に感染している慢性胃炎の方は胃がん発生予防の目的で除菌治療をお勧めいたします。その他にも胃MALTリンパ腫、過形成性ポリープ、特発性血小板減少性紫斑病などの疾患との関連も指摘されています。このような疾患をお持ちの方もピロリ菌除菌の適応となります。

ピロリ菌の除菌では、3種類の内服薬 (2種類の抗菌薬と1種類の胃酸を抑える薬)を1週間内服していただきます。内服終了後、当院では8週間以上経過してから除菌が成功したかを判定する検査を行っています。除菌判定の際には内視鏡検査は不要です。呼気検査・便検査を行い、判定いたします。除菌の成功率は90%程度と報告されています。1回目の内服で除菌が成功しなかった場合には、抗菌薬の組み合わせを変えて2回目の除菌を行います。
除菌後は萎縮性胃炎が改善する傾向がありますが、高度に萎縮した粘膜なかなか元通りにはなりません。除菌で胃がん発生の危険性が下がることは確かですが、ゼロにはならないのです。そのため萎縮性胃炎のある方は、ピロリ菌除菌後にも定期的に内視鏡をうけることをお勧めします。