胃カメラ検査は苦しい？苦しくないように検査する方法gastroscope-upsides-downsides

胃カメラ検査はどんな検査？

胃カメラ検査は、「食道」「胃」「十二指腸」を指す、「上部消化管」内視鏡検査とも呼ばれます。内視鏡を用いた検査はいくつかあり、その中の一つです。胃カメラ検査用の内視鏡は細長いケーブルのような形をしており、先端にカメラとライトがついています。これを鼻または口から挿入して、喉から食道、胃、十二指腸の画像をモニターに映して観察します。潰瘍や腫瘍などの病変があった場合にはその場で組織を採取し、顕微鏡検査で詳しく診断することが可能です。

以前は胃カメラといえば直径が10mmを超える太いものでしたが、現在では機器が非常に進化しており、経口用のカメラであれば10mm前後、経鼻用のものでは5~6mm程と非常に細くなっています。画像も非常に鮮明になっており、経鼻用のカメラでもハイビジョン画質での観察が可能です。早期胃がんの治療などには経口用のカメラが必要ですが、通常の観察においては細い経鼻用カメラでも遜色ない検査が可能になっています。

胃カメラが苦しいと言われる理由

胃カメラ検査は苦しい検査というイメージをお持ちの方、また以前検査を受けてつらい思いをしたという方もいらっしゃると思います。
なぜ胃カメラは苦しいのでしょうか？
最大の理由は、咽頭反射(いんとうはんしゃ)です。喉の奥(舌の根元)にものが当たった際に、異物の侵入を防ぐための防御反応として強い吐き気が起こることを言います。風邪の診察の際にへら状の器具で舌を押さえられて「オエッ」となったことがある方もいらっしゃると思います。この反射はとくに若い方や緊張している方に起こりやすいという傾向があります。
その他の理由としては、喉に内視鏡が通っている違和感や、観察の際に胃に空気を入れて膨らませるためお腹の張り・不快感などを苦痛として感じることが多いようです。

胃カメラ（内視鏡検査）のメリット、デメリット

バリウム検査と比較した場合のメリット、デメリット

胃の検査というと、胃カメラの他にバリウム検査があり、よく比較されます。バリウム検査は、発泡剤で胃を膨らませたところにバリウムを薄く塗り広げて、胃の形や表面の凹凸をレントゲンで撮影して観察する検査です。
バリウム検査を比べた際に、胃カメラにはどのようなメリット・デメリットがあるかをご紹介します。

胃カメラ検査のメリット

まず、胃カメラのメリットとしては粘膜を直接観察できるため、細かい凹凸や色調の変化を観察できることが挙げられます。近年では機器の性能の上昇も手伝い、粘膜表面の細かい変化から早期胃がんを発見できることが増えてきています。
また、怪しい部位を発見した際に、その場ですぐ組織を採取して顕微鏡検査に出すことが出来るのも大きなメリットです。
ほかにも食道や咽頭の細かい観察が可能であることや、放射線の被爆がないことなどが胃カメラのメリットです。

• 細かい病変(早期胃がん)を発見しやすい
• 組織の採取ができる
• 食道・咽頭の観察がしやすい
• 被爆の影響がない

バリウム検査のメリット

• 胃全体の形状の観察が出来る
• 検査の苦痛が少ない方がいる(個人差が大きい)
• 費用が安い

胃カメラ検査のデメリット

一方でデメリットも存在します。胃全体の形状や動きを観察するのは苦手であり、スキルス胃がんのような粘膜面より胃全体の変化が大きい病気の発見に関しては、バリウム検査の方が長けている可能性があります。
他にもバリウム検査より若干費用が高い、人によっては嘔吐反射が強く非常につらい検査になってしまうことがあるというデメリットが挙げられます。

それぞれの検査のメリット・デメリットを踏まえて、受ける検査を検討していただくのがよいと考えています。

土井クリニックの胃カメラ検査は不快感を極力抑えて受けていただけます

当クリニックでの胃カメラ検査では、直径5.8mmの細い経鼻用カメラを使用しています。鼻からカメラを挿入することで、舌の根元にカメラが触れないので咽頭反射が起こりにくくなります。喉に多少の違和感はありますが、検査中にモニターを見ながら会話をすることも可能です。

しかし、経鼻での検査でも喉の違和感が強かったり、胃が張ってげっぷが多量に出たりしてつらかったという経験のある方。または、胃カメラと聞くだけで緊張して身構えてしまう方などには、鎮静剤を使ってウトウトした状態で検査を受けていただくことをお勧めします。
鎮静剤の量は年齢や体格等により微調整し、検査中は血圧・脈拍・呼吸を測定するモニターを用いて適切に管理しています。喉の違和感や胃の張り感が和らぐため、ほとんどの方は眠っている間に楽に検査が終わったとおっしゃいます。検査をする医師にとっても、嘔吐反射が起こりにくいため喉などが傷つくリスクが少なくなったり、胃を十分に広げて観察できるため小さな病変の見落としが少なくなったりするというメリットがあります。

その他にも精度の高い胃カメラを安心して受けていただけるように様々な取り組みをしています。つらくない検査にするために一番重要なことは、ご自身が納得して、リラックスして検査を受けられる環境を作ることです。一人一人に一番よい方法を一緒に考えて参りますので、胃カメラを受けようか迷っている方は是非一度ご相談ください。

胃カメラの流れについて